どうも、黒豆おかきです。
GW期間中、大阪市立美術館のフェルメール展(2019/2~2019/5)に行ってきました!!
最近は、美術展によく行くようになりました。
ただひたすらアートを楽しむという空間が好きで、
社会人の「嗜み」として、学生時代以上に行くようになりました。
今日はその感想の記事になります。
なお、明日5/12が最終日になるので、よかったら見に行ってください。
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近世のオランダ芸術家が揃い踏み
今回「フェルメール展」と銘打っていますが、
展示35点のうち、フェルメールの展示数は6点のみ。
それ以外は、同じオランダ人画家の作品になります。
※過去最大規模と銘打っていますが、5点→6点に増えたので..ということ。
本展の副題に「Making the diffrence: Vermeer and Dutch Art」ってなってます。
そもそもフェルメールは、寡作の画家、
それに世界中の美術館から全ての絵を同時に借り入れるのも限度あり
フェルメールだけ見にきた人にとっては、入場料1800円は痛いかもしれません。
(先に言っておきますと、有名な「牛乳を注ぐ女」「真珠の耳飾の少女」は展示されていません)
ただ、個人的には、沢山の画家を見られるのは、高評価。
有名な画家、有名な絵画ばかりではなく、
新しい絵との出会い、発見を大事にしたいと思っています。
「芸術の国」=オランダ
ここは私個人の見解になりますが、
「芸術の国」は「オランダ」だ、と思っています。
オランダは、フェルメール、レンブラント、
ゴッホ、モンドリアンなど、多数著名な画家を輩出しております。
確かに芸術サロンが興隆したのは、より大陸側のフランス・パリなので、
一般的には「フランス」こそが芸術の国とされています。
(サロンは18~19世紀あたりなので、フェルメールとは時代が違いますが)
実際、ゴッホなどもフランスで活躍した時期もあるのも知っていますが、
オランダ人画家特有なのでしょうか、
彼らの洗練された「色」使いには、惹きつけられます。
モネ(仏)、ターナー(英)など他の国も画家も好きですが、
オランダ画家は、なぜか「色」に対するこだわりが強いような気がします。
フェルメール、門外不出の絵「とりもち女」来日
(一応、)今回の目玉とされているのが、
「とりもち女」という絵です。
一応というのは、あまり世間的に有名ではありません。
所蔵しているドレスデン国立美術館が「門外不出」としていた絵ですが、
今回初来日になりました。
絵は、ワイングラスを持った娼婦と、
男が、金貨をチラつかせながら、後ろからその娼婦の胸を掴む...という絵です。
「なんて低俗な絵だ!!」という話になりますが、
当時は、牧歌的な「風景画」・伝統的な「宗教画」と並び、
こういった「風俗画」が流行っていたようで、
当時の人々への「教訓」・「戒め」の役割を果たしていたようです。
(風俗=やらしいという意味ではないです)
この絵は、フェルメール初期の「風俗画」であり、
もう既にこの時点で、彼の天才的な画力の片鱗を見せつけています。
(wikipediaを見ると「構成が甘い」と辛口ですが、そこまでは分かりません...)
フェルメールらしい鮮やかな色の表現が使われています。
リアリティ溢れる描写なので、輪郭線や色もくっきりしっかりしていると思いきや、
グラデーションがふんだんに使われており、境界は曖昧。
遠くから見てしっかり見えるよう計算されてのものだと思われます。
この作品には、他の作品にあるような光の表現は、あまりありませんが、
絵の中のグラス、手に握られた金貨、漆器、毛布に至るまで丁寧に描かれています。
残念ながらネットの画像では伝わらないのですが、
本物のように感じさせる質感が伝わってきます。
実物を見たときは是非細かいところまで見て欲しいです。
特に「毛布」の部分は、是非とも見ていただきたい。
本物の毛を貼り付けたんじゃないか?と一瞬見間違うほどの繊細なタッチ。
他の作品でも見られますが、
とてもすごくいいものを見たな〜と思ってます。
今回のお気に入り絵画
今回のフェルメール展のお気に入りは、
シモン・デ・フリーヘルの「海上のニシン船」(1649~1650)という絵画。
霧立ち込める海洋上に漂うニシン船を描いた不思議な絵です。
無論フェルメールの絵画も気に入りました。
ただ、ここまで言ってなんですが、私の芸術の趣向は「印象派」以降寄り。
どこか幻想的な光景で、自分の目をすぐに惹きつけてくれました。
特に奥に見える船の遠近はよく表現されており、とてもいい作品です。
(この作品だけは、フリーの画像がなく著作権的にアレなので、残念ながら検索してください...)
総評
総合的には、かなり高評価です。
近世オランダ絶頂期の芸術を垣間見れたと思っています。
丁寧なタッチ、色使い、陰影の付け方など、
オランダ人画家の丁寧な技術を見ることができました。
あと、色使いで有名なフェルメールですが、
後期ごろの作品(「リュートを調弦する女」など)になると、
鮮やかな色を使うのが控えめになっているのが驚きでした。
ただ余計にその抑制された色使いが、
当時の「現風景」をありありと映し出してくれました。
とてもいいアート展なのでオススメです。
なお、明日が最終日とのこと。
もし興味がある方がいれば是非見にいってくださいね。
こんな感じで今後も美術館に行ったらレビューを書きます。
関西出身故、関西の美術展に偏りますが、次の機会があればまた見てください。
ではでは。
フェルメール展 - Making the difference: Dutch Art and Vermeer
展示日時: 2019/2/16~5/12 ※最終日明日
料金: 大人 1800円, 大学・高校生 1500円
写真: オールNG
2019. 5. 11. Sat 10PM
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