どうも、黒豆おかきです。
別記事でも書きましたが、先月末京都に美術展に行きました。
今回は京都市立博物館で行われた「Kyoto Art for Tomorrow 2020 京都府新鋭選抜展」、、、と一緒に実施されていた特別展:宮永愛子「うたかたのかさね」について話したいと思います。(本展の方は別記事で取り上げます!)
※この展示会はすでに終了しています!
1. Kyoto Art for Tomorrow 2020 京都府新鋭選抜展とは
この記事では展示の「特別展」の方だけ触れるのですが、一応どんな展示会だったのか触れておきます。
この展示会は、京都の地にいる若手芸術家のための発掘展示会で、なんと60年続けられている歴史のある展示会なんです。まあかっこいい名前が付いていますが、「〇〇新聞」とか協賛している、地元のアーティストを盛り上げよう!的な美術展をイメージしてもらえればと思います。
若手と言いましたが、20歳後半〜40代くらいのそれなりの実績を持っておられる方ばかり、中には国際芸術祭に展示実績を持つ人もいたりと、中々見応えのある展示会でした。
ちなみに、私が行ったのは、なんと展示2日目。しかも開館の朝10時に行きました。実は、何にも知らなかったんですが、その前日に乗った阪急電車の広告がとても印象的だったので、つい来てしまいました!!
2. アーティスト宮永愛子について
さて、今回本題の宮永愛子の展示会になります。
宮永愛子というと、個人的には瀬戸内芸術祭の印象がありますね。ただ京都出身のアーティストだと知って、ちょっと衝撃でした。
彼女の定番アートというと、ナフタレンを使ったアートです。
それだけではないですが、下の画像のように、椅子など日用品をナフタレンに包み込むアートが多いです。
ナフタレンは「気泡」が混ざるよう調節されており、どこか不思議なアートになっています。宮永さんは、「日用品」を多く題材に使っており、どこかモノと人との結びつきを想起させる
透明の樹脂にモノを封じ込めるというと、世界的なアーティスト、ダミアン・ハーストを思い出しますね。牛をホルマリン漬けにしてそのまま展示しちゃうという、とんでもアーティストなんですが、それに対して宮永さんのアートは、どこか洗練はされつつも、「日用品」というトピックもあり、どこか温もりを感じます。
(ハーストは他にも骸骨をアートに使うなど「生」が主題なので文脈がそもそも違うんですが、、、)
3. 特別展: 宮永愛子 「うたかたのかさね」
さて、展示に移ります。
もっとも博物館の「別館」なんで、展示は少ないんですがね(笑)
まず、入り口入ってすぐがこちら。
窓枠を吊るしたどでかいインスタレーションがお出迎え。
『life』という作品。窓だけがその作品であって、この鉄の枠は、作品ではないのですが、中々面白い展示の仕方をしてくれています。これは期待感増です。
画面奥にはなりますが、人間等身大サイズの巨大なものもあります。
空気をほどよく含ませて樹脂を固めるのは大変そうだな。。。
奥のエリアに行くと、こじんまりと旅行用のカバン。
階段の近くに置かれており、窓から差し込む朝日が印象的ですね。
最後は、お待ちかね(?)の椅子。
『waiting for awakening ~chair~』です。
(一番最初の写真で写り込んでましたけどね)
個人的には一番この作品が好きですね。
一番目を引くのは、なんといってもナフタレン樹脂の質感。
氷のような目を惹きつける透明感、見事な直角を持つ直方体の造形。下からの照明がそれらを見事に印象的に照らし出してくれています。
一見氷づけにされた椅子にも見えなくないですが、その中でナフタレン樹脂の中の「泡」がいい味を出しています。泡が、日用品に眠る「活きた記憶」を視覚化させ、日用品から人の息遣いすら感じさせてくれます。
ちなみに接近してみるとこんな感じ。
なんとナフタレンの薄い「板」を複数枚張り合わせていました。
前々からどうやって作ってるんだろ?と思ったのですが、これほどまでに精巧にできているとは、とてつもない作者の執念が感じられます。。。
今回は、これで以上です。
宮永愛子さんの作品はとても印象的でいいですね、、
今回は場所も相まってよかったです。今度機会がある時は、もっと色んな作品がみたい!そう思える展示会でした。
ではでは。
2020.2.15 Sat 8PM
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