おかきズム

元ニコ動実況者(断じて有名でない)が、社会人になってブログ。グッズレビュー、アート、映画書評を書いてます。

[Art News] 世界最高峰のアートフェア、アート・バーゼル開催中止...代わりに?(2020/6/6)

どうも、おかきです。

 

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雨が中々降り止まぬ毎日、、、といった感じで、いよいよ梅雨。
雨で外が出られない以上に、これからあの蒸し暑さが来るのかという未来への絶望感が日増しに増している毎日です。

 

今回は、アート業界に関するニュースをお伝えしたいと思います。


コロナであらゆる展示会が延期・取り止めを余儀される中、ついに世界的なアート・フェア、アート・バーゼルも中止となりました。一度は6月から9月に延期したのですが、結局今年の開催は取り止めになることになりました。

 

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1. アートバーゼルって何?

この資本主義の現代、創造的な作品を作り出すアーティストにも、「お金」は必要不可欠です。稼ぎ方は色々あり、アート作品を発表し物販する、どこかの商社に卸す、ギャラリーに提供し展示会を行う、、、などと色々あります。

この「アートフェア」は、それら手段のうちの一つ。様々なアーティストたちが、一つの場所に集まり、自身の作品について語り、そして気に入ってくれた買い手と壮絶な値段交渉を経て、販売する。ニュースの話題性で言うと、オークションが有名ですが、アートフェアも立派な販売手段です。

 

このアートフェアは、日本含め世界各地で行われていますが、中でも、今回お話しするアート・バーゼルは、世界最高峰と言われています。

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バーゼルとは、独仏国境に隣接するスイスの都市。
ここバーゼルで毎年6月第2週目に行われます。

このアートフェア、1年の中で、たった1週間程度しか開催されないのですが、名だたる世界中のVIP・セレブたちが、新しいアートを求めて来訪します。それもそのはず、このアートフェアには、随一のアート作品が並び、その出展作品の価値総額は、なんと30億ドル(3300億円, 2017年の推定)。とてつもない金額のレベルで売買が毎年行われているのです。

 

中には、数千万とかとんでもない金額で取引されるものもあります。「アート」というと高尚なイメージが付き纏いますが、このアート・バーゼルは、まさにその逆、人間の欲望が顕となる場であり、グローバル資本主義の権化といえる存在なのです。

アートとはいえ、現代資本主義の世の中、アートシーンにおいて、「資本主義」の側面を一切切って捨てることはできません。資本主義を批判するアートも存在しますが、アーティストは、何らかの手段を経て、金銭を得ています。また、そのアート作品を、全世界に急拡大させたのは人間の欲望であり、資本主義。アートと資本主義は、奇妙な「共依存関係」にあるのです。

 


なお、アート・バーゼルですが、マイアミ・香港にも同名のアートフェアのことを指して言うこともありますが、ここでお話しするのは、本拠地・バーゼルでの「アート・バーゼルのことを取り上げます。

 

2. 中止だけど、オンラインで。

さて、今年のアート・バーゼルの話に戻ります。

先ほど述べた通り、アート・バーゼルは毎年6月の第2週に開催されます。ただご存知の通り、新型コロナウィルスの感染拡大により、一度は9月に延期されました。


ただそれが今回、6月上旬、ついに開催中止を決断となってしまいました。開催はたったの1週間程度ですが、何万人もの人数が集まる展示会ということもあり、今のご時世「密」を避けるためには仕方ない、、、のかもしれません。

 

 

ただ、このニュースに合わせて、もう一つ大きな発表がありました。
というのも、代わりにオンライン開催するに至ったのです。

 

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公式サイトに行くと、ログインが必要になりますが、「オンライン観覧」できるページが出来上がっています。なんと期間は、2020/6/19~2020/6/26、今日実施中です。
(発表は6月上旬ですが、記事にするのが遅れました。。。)

 

作品の鑑賞は勿論、 オンラインでアーティストの会話が可能。アートフェアである以上、恐らく「値段交渉」も可能なのでしょう。

 

一応こう言った試みは、アートバーゼルの香港でも行われており、アートフェア以外にも、様々な展示会でヴァーチャル展覧会なるものが行われているようです。以前にもお伝えした、ブカレストビエンナーレ 2022のような動きが既に始まっているのです。(こちらはVRですが)

 

www.okakism.com

 

 

ただ、オンライン上でのアート作品購入が広がるのか?というと、それは微妙だと思います。

確かに、人間が同じ場所に寄ってたかって、みんなで価格交渉の末取り合い合戦と、このやりとり自体古い感は否めません。今や日用品ですら、ネットで買う時代。全てがヴァーチャルになる時代です。他にも、その場の変な熱気に当てられて、アート作品を買ってしまうよりは、のんびり家の中でアート作品の品定めをしている方が、冷静にアートの品定めができて良いのかもしれません。

 

ただ、やはりアート作品と同じ場所・時間を共有しない限り、本当の価値なんてわからないのでは?と思います。液晶越しではなく自身の網膜を通して見えるもの、他にも、その場の空気感を肌で感じたりなど、五感をフル活用することができません。オンライン購入も、手段として「無きにしも非ず」くらいでしょう。それに高額な取り引きな分、face to faceのやりとりが重視されるでしょう。(オークションなら、オンライン化するかもしれません)

今回のオンライン展示は、新型コロナ感染拡大によるやむを得ない判断。
供給者アーティスト、ギャラリーなど需要者たちにとっての貴重な「売買」の手段を残したというのが、一番評価されるべきです。ただ、このオンライン展示が普及するかどうかというと、「?」がつかざるを得ませんね。ひょっとすると、思っていたのと違う!とか言って、作品を返品し始める人もいるんじゃないのでしょうか。

 

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 今回の記事は、これで以上です。


日本中の美術館を見ると、徐々に開館の動きが見えますが、多数の人間が押し寄せるような、世界的なアート展・アートフェアが開催するにはかなり厳しそうと言えます。今後もこう言ったヴァーチャル空間での開催が増えていくのかもしれませんね。

 

ではでは。 

 

 2020.6.20 Sat 11PM

 

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