どうも、おかきです。
※この記事は、7月頃に書いた記事ですが、最新状況のリライトが厳しいので、そのまま投稿させてもらいます!
(しれっと投稿時期も変更させてもらいます。申し訳ないです。。。) 2021/10/10追記
東京オリンピックがついに開催されました。なんだかんだありましたが、ついに開催。
賛否両論あり、いろんな意味で盛り上がっております。このブログでは、よく書籍だとか、アート展の話だとか過去の話ばかりですが、今回アート界においてもホットな話題を提供したいと思います。
なんと現職の米国大統領バイデン氏の息子が、アート界に進出するという話です。
1. 現職・米国大統領の息子がアート界に進出
こういったことを言うと、フェイクニュースじゃないのか?という話がありますが、ワシントンポスト等の大手新聞社が既に報道。さらにはホワイトハウスの報道官まで、公式の質疑で言及しており、事実は認知されています。結論としては、「大統領の御子息がされていたのと同様、彼にもキャリアを進める権利がある」(2021/7/9)としており、(推定価格は無論メディア情報ですが)公式にも認められた事実ではあります。
このニュースについてですが、まず軽くまとめていくとこんな感じです。
ハンター氏はあまり注目されませんが、選挙時にウクライナ疑惑をかけられた人物というと自記憶に新しいのではないでしょうか?
<概要>
- 弁護士・実業家、近年はロビイスト活動だったが、それとは別で子供の頃からアート制作をしていた。公式な教育は受けておらず独学。現在は自宅スタジオで作成。
- ニューヨークのギャラリー"ジョージ・バージ・ギャラリー(George Berge Gallery)"に作品を納入している。
- 今秋ロサンゼルスでプライベート展示を行ったあと、ニューヨークでギャラリー個展を開催する予定。飾られる作品の価格は、$75000から最大$500,000になる見込み?
We Spoke to Hunter Biden About His New Life as a Full-Time Artist, and His Personal Quest for ‘Universal Truth’ Through Painting
とはいえ、陰の多いアート界。
ホワイトハウスが積極的に介入するつもりはなく、あくまでこれはハンター氏のキャリアの話であり、価格・取引についてはアート業界の慣行に基づいて行われるだろうと、あくまで遠巻きに見ている姿勢です。つい先日の質疑応答では、「作品購入者とあったのでは?」という記者の質問に対し、「会ったのは、ギャラリー関係者だろう。以前から予定されていた。」とか「ギャラリー経由の購入なので、(購入者が出ても)ハンター氏の作品購入者は秘匿され、知る由はない」(2021/7/23)としています。
2. ハンターの作品を鑑賞してみた。
それでは、早速どんな作品を作成しているのか?見てみましょう。
これが全てという訳ではないのでしょうが、ギャラリーのサイトを見に行けば、大抵どんな作品かは把握する事が可能です。
https://bergesgallery.com/our-artists/hunter-biden
- 抽象絵画の作品。幾何学模様と独特の色彩で、不思議な世界観を演出。
- アクリル・水彩などのミクストメディアを使用。下地は紙や木など様々。
- 一部作品には、模様っぽい中に、森・幻獣や人の姿・手など。
- サイズは少し大きめくらいの絵画(数m x 数mまではいきませんが)
抽象表現主義なんて古いでしょ、という声もあるかもしれませんが、アートバーゼルとかで見ても割とわかるのですが、ギャラリーで流通しております。時代性を超越した普遍的な表現なのかもしれません。
絵画に関してどうこう言えるほど、目が肥えてはいませんが、一言で言うと幻想的。
語彙力がないのもありますが、中々に名状し難い世界観。ただ、ともかくサイトに行って、まずは絵を見て欲しい。ただ正直、抽象絵画好きの私にとって、好きか嫌いかというと、正直なんとも、、という感じ。
なお、このハンターさん。政治家の家に生まれ弁護士・実業家として活躍した経歴など、いわゆる成功者の印象が強いですが、その反面、早くに母妹を失い、そのトラウマで薬物・アルコール中毒経験あるなど中々大変だった模様。彼の抽象絵画には、幾何学模様の中には木や人の姿が見えるのですが、そういった過去もあるのかな?と思いました。過去の20世紀的な「冷たい」「熱い」抽象ではなく、自然や人間性といったテーマ性を持たせたいのかなぁ?と思っています。とはいえ、題名が「無題」なので分かりようがないので、やはりなんとも、、というのが正直なところです。
3. 息子ハンターの今後について予測してみる。
最後に、今後の展望について軽く考察してみようと思います。
個人的な意見を率直に言うと、そこまで上手くいかないんじゃないのかなぁと思ってます。
これだけのVIP、ましてや大統領の息子となると、アートで個展やオークションをやるだけで大騒ぎです。さらには、お父さんのいるホワイトハウスの報道官に対して、記者から何度か倫理的な問題がらみの質問がぶつけられるなど、てんやわんや。
そんな状況下で、アート作品を冷静に評価してもらうのは、流石に困難だと思われます。
ましてや現代アート、インパクトだけでなく、コンセプトや意味の重層性など非常に複雑。アートの歴史・業界を理解しつつ、プロモーション戦略を考える必要があり、成功するにしても膨大な時間と投資が必要です。ただセンセーショナルなだけでは生き残れません。
参考程度にいろんな記事を見ていても、割と冷ややかな印象を受けました。
無論、間口の広いアート業界ですからいきなり彼を批判したりはしないものの、少なくとも「新たなアートスター」として期待されているかというとそうでもない、って感じです。アートの値段については、前述の通り$75,000~500,000と駆け出しとしてはいい方ですが、問題はこれをいつまで保てるか。アートマーケットは、成功すればセカンドマーケットでとんでも金額で売買されますが、低評価の作品については買い叩かれてしまう、そんな冷酷な世界です。そんな世界でどんな戦いを見せるか、今後も見ていきたいと思います。
2021/10/10追記:
NYポスト報道で、ロサンゼルスでプライベートアートショーを9月に実施。
1作品$75,000ほどで、5作品ほど販売できたそうです。購入者は不明(当たり前ですが)。ただ、家族から大統領支援者など割といたっぽいので、利益相反がまた問題になりそうですね。。。
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今回はこれで以上です。
サクサクっと作成予定でしたが、結構長文になってしまいました。
ホワイトハウスは遠巻きに見るだけ。アート関係者も冷ややか。政治家のパパは立場上応援できず、まさに孤立無援。
そんな苦境にある彼について色々書いてしまいましたが、一人のアートラバーとして、素直に応援してあげたいというのが本音です。とはいえ新人アーティストとしては前途多難すぎる状況。どう乗り越えていくか、今後も見ていきましょう。
ではでは。
2021.7.25 Sun 12AM
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