おかきズム

元ニコ動実況者(断じて有名でない)が、社会人になってブログ。グッズレビュー、アート、映画書評を書いてます。

【アートの旅#7】まさに西洋絵画の歴史がここに!メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

どうも、おかきです。

今回は、大阪市立美術館で2021/11/13~2022/1/16に開催されたメトロポリタン展について取り上げようと思います。様々な西洋絵画が取り上げられたこの展示会、コロナ禍ではありましたが、以前から盛大に広告で盛り上がっていたので、見ることにしました。少し古いですが、東京でも今月末(2022/5)まで開催されている美術館展なので、このタイミングで取り上げたいと思います。

 

1. だいたいこんな展示会

メトロポリタン美術館(通称MET)とは、米国ニューヨークのど真ん中にある、150年前から続く由緒正しき美術館です。欧米に限らず、世界各地のアート作品をこれでもかと集めた、まさにアメリカのルーブル実際世界の美術館・博物館の来訪者数ランキング(コロナ前2019年)だと、ルーブル故宮、ヴァチカンに次ぐ第4位です。

この展示会は、そんなMETの名に恥じない名画たちばかり。17部門(!)のうちの西洋絵画部門から65点を展示。中世・ルネサンスから19世紀印象派までの西欧絵画の歴史を見ることができます。カラヴァッジョ、フェルメール、ベラスケス、ゴッホ、モネ、、誰もが耳にしたことのある画家たちの名画。それらを一望することができるのが今回の展示会になります。

なお、この美術館MET。開館から2018年になるまで、入館料は「希望額」とされていました。来館者に金額を委ねるなんてなかなか太っ腹ですね。推奨額みたいなのはあったらしいのですが、平均支払額が年々低下。さらに、オピオイド問題から端を発するサックラー家からの寄付金拒否、コロナ禍も追い討ちをかけたため、恐らく復活はないでしょう。

 

met.exhn.jp

 

2. 総評:「近代まで」の西洋絵画史が好きな人には是非

総評でいくと、さすが「メトロポリタン」の名を冠するだけの圧巻なボリューム。
繰り返しになりますが、ルネサンスギリシア・ローマ的世界、写実主義ロココ美術、印象派など、西洋絵画の歴史を見渡すことができます。アートの勉強がてら、しょっちゅう西洋絵画の歴史の流れを見ることになりますが、いつ見ても面白い。それを実際の作品を通じて目の当たりにできますから、これほどの贅沢はありません。

驚くべきはどの作品も有名な画家たちであること。もし仮に国内美術館の収蔵作品だけで、仮にやろうとすると豪華揃い踏みとはならないでしょう。もし興味のある方は、是非行ってみるべきだと思います。もちろん、中には私の知らない画家も出てきたので、次章で紹介したいと思います。

 

強いて言えばですが、有名美術館の名前を冠したブロックバスター展示会かなとは思ってます。
METに限らず、何年かに一回有名美術館の名前を冠した企画展。圧倒的ボリュームと質でそれはそれで楽しめるのですが、いまいちテーマ性がない。
個人的には、ピンポイントで特定の人物や時代を掘り下げた方がまだいいのではないかな〜と思います。(まあそれを知りつつ行ったのですが)ただそれだと、美術館にあまり足を運ばない人は敬遠してしまうので、こういった展示会も必要なのかもしれません。


ただ繰り返しになりますが、最初に述べた圧倒的ボリューム、これは否定しようがない。
1800円と割高ではあるものの、見応えは十分にあると思います。



3. 注目する作品

さて、ここからは私が気に入った作品たちです。
現代アート主義の私なので、どちらかというと近代寄りなのは、ご容赦いただきたい。

 

  • エル・グレコ『羊飼いの礼拝』(1605~1610年頃)
    名匠エル・グレコは知ってますが、実物絵画を見るのは初めてでした。暗闇から光が浮かび上がるような、ドラマティックな表現は、強烈なインパクトがあります。実物を見ると、筆致が思っていた以上にかなり荒々しく、又印象が新たに変わりました。

  • クロード・モネ『睡蓮』(1916~1919)
    誰もが知っているモネの『睡蓮』。私が持っているイメージは「緑」「ピンク」のイメージだったのですが、METの『睡蓮』は、一面の群青色。もはや陰鬱な抽象絵画とも思わせる圧倒的な青でした。絵画自体のサイズ感も相まって、まさに圧巻です。

  • マリー・ドニーズ・ヴィレール『マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868没)』(1801)
    今回の展示会では、個人的一番お気に入りの絵画。どこかの一室でキャンバスを持った端正な白人女性が、こちらを見ている写実的な肖像画。巨匠ダヴィッドの物だと考えられていたようですが、この女性画家であることが後から分かったようです。正直この女性画家のことは知らなかったのですが、逆光を反映した色彩、リアリティのある造形、何より凛とした眼差しは、とても印象に残りました。帰ってからネットの画像を見返したのですが、液晶画面越しでは、感じられず。又いつか再会を期待したいと思います。

 

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今回はこれで以上です。

様々な名画と出会えるとてもいい機会になりました。逆に「よくあるブロックバスター展」というところは否めませんが、やはり選手層の厚さのなせる業なのでしょうか、マリー・ドニーズ・ヴィレールのような新しい出会いもありました。またいつか会えることを期待したいと思います。

ではでは。

 

2022.5.29 Sun 10AM

 

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